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第111話

本当の事を話して希一は許してくれた。 それどころかごめんと謝ってきた。 騙してたのはこっちなのに……… だからこそ希一の隣に居たいと思うんだろうな。 それから陽介はこの事を電話で秀一に報告した。 どう判断されるかは分からないが覚悟はしていた。 例え見限られたとしても…… けれど秀一から放たれた言葉は想像とは違った。 「すまなかった」 「え?」 「希一を心配するあまりお前の気持ちを蔑ろにしてしまっていた。 苦しかっただろう?すまなかった」 秀一はずっと苦しめていたことを謝罪してきた。 そしてこれからは自由にして欲しいと。 望むのならαとしてクラスの編入や、他の行きたい学校への転校も手助けすると。 何だか意外だった。 完璧な人だと思ってた。 でもそんなことはない、ただの親バカな人の親だ。 初めて秀一が人間らしく思えた。 そしてこれからどうしたいか。 それはもう決まっている。 「このままでいさせてください。 俺は希一の隣に居たいんです」 「いいのか?」 「はい」 こうして陽介は今までと同様βとして居ることにした。 それともう1つ希一に伝えたい事がある。

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