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第117話
体育祭が終わったと思ったらすぐに学園祭の準備だ。
まったくもって迷惑な話だ。
いつになったら希一とゆっくり過ごせるのか………
まだ何もしていないというのにと碧は憂鬱だった。
それにこの学園祭は普通ではない。
多くのαが在籍し、しかも彼らの家は大手企業や財閥、政治家等のすごい家柄が多い。
そんな家柄のトップがOBだったりと、大物が沢山やって来るのだから大変だ。
そして派手にパーティー等を行うこの学校の学園祭は、親やOBにとっても社交の場となっており、そう言った人の交流を行う絶好の機会。
そう言うことだから毎年テレビカメラや記者などが取材に来て大変なことになっている。
しかし流石に生徒のプライバシーの問題もあり、メディア関係は完全シャットアウトされていて、毎回学園の外での取材合戦となっている。
まぁただこの学園祭の準備を行う方からすれば心底面倒なだけだ。
「ねぇ陽介、学園祭って俺たちは何するんだろ?」
「さぁな?でもまぁ基本この学校はド派手だからやることも桁違いだろ」
初めてのこの学校での学園祭に希一はワクワクしていた。
中学では文化祭は不参加だったし両親も来ると言っているから楽しみだ。
そして各教室で出し物について話し合われた。
「え~うちのクラスは模擬店を担当することになりました。
と言うことで何がいいですか?」
食べ物を作るということで色んな案が出てくる。
男子ならがっつり系、女子ならスイーツ。
それも作れる範囲でないとダメ。
けれど結局女子の意見が強くしかも男子の意見は無視。
女子だけで盛り上がって話を進められあっという間にスイーツのパンケーキに決まった。
女子、恐るべし………
そんな中クラスメートの一人がこんな事を言ってきた。
「ねぇ、九条君ってお金持ちよね?
プロの人に私たちでもできるようなレシピを考えて貰うことくらい出来るわよね?」
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