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第118話

女の子からのプロにレシピを頼んでと言うお願いに渋った顔をする。 「こう言うのって自分たちで考えて作る方が 達成感とかあるんじゃないの?」 プロの料理より家庭料理に慣れている希一はネットとかで調べて自分たちなりにアレンジしたりする方が、美味しいと言ってくれた時嬉しいと思ったが…… 「何言ってるのよ。 ここの学校は舌の肥えた金持ちがいっぱいいるのよ? それになるべく面倒を減らしたいの。 だからお願いね九条君?」 「………分かった、父に相談してみるよ」 女の子の迫力に気圧され折れてしまった。 それを陽介は心配な様子で見つめる。 「いいのか?」 「仕方ないよ。 女の子って凄いね。 男子の出る幕一切ないんだもん」 それから部屋に戻って父へ電話してみた。 事情を話すと苦笑いされこう言うのは自力でやるべきなんだろうがと、希一と同じ意見を言われたが今回は特別と、知り合いのパティシエに頼んでくれることになった。 それから学園祭の出し物はこれだけではない。 「え~、今年も毎度お馴染みの流鏑馬をね、頑張りたいと思います」 佐久間が部活を始める前のあいさつで言う流鏑馬は、毎年の学園祭で名物になっていてとても人気らしい。 出し物について1日目は生徒だけの参加で、それ以外の人の出入りはできない。 因みにクラスごとの出し物はここでやる。 2日目は外部の人も参加可能で部活によってはここで出し物をやったりする。 演劇部や軽音部等は芸能事務所からのスカウトに来ることもあり、芸能界を目指すものは相当必死だ。 そして馬術部は弓道部と合同で流鏑馬を披露する。 10年ほど前に馬術部に家が神社で流鏑馬を代々やっている奴がいた。 その関係で弓道部と共にお互い乗馬、弓道を教え合うこととなり、毎年先輩方から継承する形で続けているのだが………

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