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第122話

佐久間に五十嵐の事を伝えると彼は彼の事を話してくれた。 「あいつは生真面目で曲がったことが大嫌いだからな。 まぁ、堅物で取っつきにくい所があるけど、いい奴だよ」 彼の事を話す佐久間は何だか嬉しそうだった。 二人は一年の頃から同じクラスでよく話をしているのだと言う。 そして、これは他の人にはナイショと希一だけにそっと話してくれたのが、実は二人恋人なのだそう。 「俺なんかに話しても良かったんですか?」 「君だからだよ。 君は信頼出来るからね」 「そんなこと………」 希一は嘘をつかないし、秘密を言いふらしたりもしない、優しく面倒見もいい。 だからこそ佐久間は希一に教えた。 それから希一は昨日同様、乗馬を弓道部へ教え、軽速歩(けいはやあし)へと移る。 これは常歩(なみあし)と言うゆっくり歩くのに対し、軽速歩は少し駆けるような動きになり、その際に乗りやすいようにと立つ、座るを繰り返す。 だがこれがまた大変で馬の動きに合わせて立つ、座るを繰り返すのだがなかなか合わなかったり脚が結構疲れて筋肉痛になる。 まぁでも重要なのは走りながら弓を引くことだ。 走ることを駈歩(かけあし)、全速力で走る事を襲歩(しゅうほ)と言い流鏑馬は本来襲歩で行うが、危ないと言うことでここでは駈歩で行う。 しかし駈歩と言えど正直手を離して乗るのは怖い。 ただでさえ振り落とされそうだと言うのに……… それでも弓道部の皆真剣に希一に乗馬を習う。 だから希一もそれに応えるべく真剣に教えた。

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