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第2話

神田はいつもただ黙って二人の戦いを眺めるだけではなく。悪とヒーローの絡みを増やすため、いつも仕掛けをする。 「腐腐腐……さてさて今日の新作はぁ~~これ!!ローションです」 その瞬間。屋根裏でガタリッと何かが揺れて、一気に真下へ急降下する音がヒーロー達の間に流れた。 戦闘に夢中になっていた二人だが、その物体を視界にいれた瞬間、思考と身体が停止し。バシャリと大量に飛び散る物体で全身が濡れていった。 「ッ……なんだ!?」 突然の出来事に何が起きたのか把握しきれないギルシャワ、そのかわりなんとか冷静を保っていたヒーローがゆっくりと指摘した。 「ぁ、えっと、ギルシャワ、さん?……その、ローションまみれになっているぞ?」 「なッ!!///」 いきなり目の前に降って来たローションに呆気に取られていた二人だったが、全身ぬるぬるとした液体を被り、しかもそれをヒーローに指摘されてしまった事への羞恥心でギルシャワの頬は真っ赤に染まっていた。 しかもローションのせいで思うように動けない足元は、動揺しているギルシャワをさらに滑らせ、近くに居たヒーローにぶつかってしまう。 「おっと。大丈夫かギルシャワ」 誰にでも優しいヒーローは、転びそうになりながらぶつかって来たギルシャワの身体を両手で受け止め、思いやりの言葉をかける。 普通の人間ならここで感謝の気持ち、もしくは尊敬の念を抱くだろう。 しかし悪であり、プライドを高く持つギルシャワにとっては、虫酸が走る行為でしかなかった。 「クソッ……ふざけんなよ……クソヒーローが!!このまま燃やしてやる!!」 密着している今、このままギルシャワが炎を全身から出せばヒーローはあっという間に燃えてしまうだろう。 だがヒーローは逃げるどころか、何故かそのままギルシャワの服の中に手を侵入させると、ローションで濡れた指先でみぞおちをなぞった。 「ァ//ーーーー!!??」 不意に触られた驚きと、一瞬の快感に反応してしまった身体は、ギルシャワの口から甘い吐息を漏らす。 その声をダイレクトに聞いてしまったヒーローは、思わずギルシャワの肩を掴み。密着していた身体をベリッと引きはがした。 お互い、真っ赤になった顔を見つめ合って五秒。 それだけあれば、神田にとっては十分な栄養源となった。 「もう、最高で腐……」 今日のミッションは無事終わり、神田はその場で鼻血を噴き出しながら倒れた。 重い空気になった二人を残して。 「えっ、と、その、ギ、ギルシャワ……悪かった//」 視線を右に逸らしながら震える口角を無理矢理上げるヒーローに、固まっていたギルシャワは顔を赤くしたまま唇を噛みしめると、ヒーローの胸倉を掴み上げた。 「ぅッ//ク、クソ……クソ!!ふざけんじゃねぇぞ!!このクソヒーローが!!///次は絶対ぶっ殺してやる、絶対だ!!クソが覚えてろ!!」 悪らしい捨て台詞を吐き捨て、ギルシャワはヒーローの胸倉を離すと自分を周りを囲うように炎の渦を作りだし。そのまま消えてしまった。 色んな事が突発的にありすぎたせいか、未だヒーローの思考は停止したまま動かない。 しかし視線だけはずっと、ギルシャワの肌を触れた指先へと向いていた。 「どうして俺は……アイツに触れてみたいと思ったんだ……」 今まさにその答えは顔に出ているのだが、ヒーローはこの気持ちに気付かない。いや、気付いてはいけないと思ったのだろう。 軽く頭を左右に振って熱を冷ますと、いつのまにか朱色に染まっていた空を見上げて彼は呟く。 「……ギルシャワ」 まるで愛しい人を呼び止めるように。 「いえぇえい!!フラグが立ったぜぇえ!!ガハッ……」 その後。茂みの中から血まみれで倒れた女性の姿を発見したヒーローは、真っ赤だった顔が嘘のように顔面蒼白になったという。

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