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5 入社一年目4月。
『おう。山崎飲んでるか?』
『は、はい!!部長、お注ぎします。』
部長の空になったグラスにビールを注ぐ。
『今日はお前の歓迎会だ。じゃんじゃん飲めよ!!』
そう言って肩を叩かれた。
なんかこのやりとり社会人って感じだな…
俺はしみじみと思う。
『山崎、これからよろしくな。』
『こちらこそお願いします。』
話しかけにきてくれた天野さんにもビールを注ぐ。
色々な話を聞きながらも俺の目が追うのはただ一人。
『どした?あっ…小宮さんか?』
『い、いや…』
『呼ぶ?』
『いや、そんな滅相もない!!』
『なんか俺との扱い違うくない?』
すごく怪しんだ目で見られ、ドキリとした。
『小宮さん!!!』
手を振って天野さんがこっちに小宮さんを呼ぶ。
なんだか俺の心臓はドキドキいっていてうるさい。
これってさ、なんか昔感じた…
あっ…
気付いた時にはもう遅くて…
俺は、恋に落ちていた。
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