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16 入社一年目12月。
ヤバイ…ちょっと酔ったかも…
美味い料理に美味い酒。
ちょっと調子に乗りすぎた。
『大丈夫か?』
『だ、大丈夫です。』
部屋の前まで来て自分の部屋の鍵を取り出す。
手元がもたついて鍵を落としてしまった。
カードキーだったため、床にへばりついてうまく取れない。
『うーん…あっ…』
スッと俺の目の前に腕が伸びて来たと思ったら長い指で起用に小宮さんがカードキーを拾い上げる。
『本当大丈夫か?』
そう言いながら鍵を開けてくれた。
『ありがとうございます…大丈夫です。』
そう言って会釈をすると、扉を閉めた。
ダメだ…
ダメだダメだ…
本当に俺ヤバイよ。
壁際のベッドに横になる。
この壁の向こうには小宮さんがいる。
今、何してんのかな…
スーツ脱いでる?
シャワー浴びるのかな…
酔いのせいもあるのか、いつもよりも妄想に熱が入る。
指…綺麗だったな…
長くて綺麗な指を思い出し、おもむろに自分の股間に手をやる。
『小宮さん…』
小さく囁きズボンと下着を脱ぎ捨てると、上下に優しく扱き始める。
『あっ…』
いつもよりも近くに小宮さんがいるからか、興奮して呆気なくイってしまった。
『はぁ…本当どうしよう…』
壁を見つめながら溜息をつく。
いつまで続くのかわからない片思いに将来が不安になる。
孫見たいだろうな…
両親のことを考えて、少し罪悪感に襲われる。
きっと一生解決することができないであろうこの感情をどうしようかと悩みながら俺は眠りについてしまったのだった。
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