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19 入社一年目12月。小宮side

帰りの新幹線では何を話そうか… 行きの新幹線では、まさかの間にオバ様を挟むというなんとも惨いことがあったわけで… でもなんやかんやで山崎をチラチラ見ると、山崎もこっちを見ていたりして… 目が合ったり、笑い合ったりあれはあれで何かと楽しかった。 新幹線に乗り込み席に着く。 今回はちゃんと隣同士で少しドキドキするのが心地良い。 少し走ったぐらいだろうか。 『山崎。』 呼んでも返事がない。 ふと横を見ると、下を向いて眠ってしまっていた。 まぁ頑張って研修聞いてたからな… 少し寂しい気もしたが、寝かせてやろうと俺は本を取り出した。 隣から聞こえる寝息がすごく可愛くて、サラリと髪を撫で本に目を通す。 暫く本を読み進めていると、肩にポスッと重みを感じた。 山崎… 横を見るとさっきまで下を向いて寝ていたはずの山崎が、俺の肩にもたれかかって寝ていた。 下を向いていたせいで見えなかった寝顔もバッチリ見える。 可愛い顔して… 山崎は決して可愛いタイプではなく、どちらかというとかっこいいタイプだろう。 俗に言うイケメンというやつだ。 なのになんで彼女いないんだろう? ふとそんな疑問が頭をよぎる。 ちょっとは期待してもいいのかななんて… 叶うわけもないこの恋を楽しんでいる自分がいる。 ここが新幹線じゃなかったらな… きっと襲ってしまっていただろう。 俺は全く内容が頭に入ってこない本を読みながら、理性と戦ったのだった。

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