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23 入社一年目2月。
あっという間に1月が終わり、2月も半ばを過ぎていた。
俺はというと…
あれから徐々に成績が伸び、出来のいい佐藤と並ぶほどにまでなっていた。
4月の新人研修で、俺は2年目担当としてスピーチを任されている。
なんでも頑張っている俺に部長がご褒美をくれたとか…
そんなもん、ご褒美でもなんでもないわい!!
毎日スピーチや研修の準備に追われ、おまけに年度末に向けて課せられる半端ないノルマに追われる毎日。
当然のことながら小宮さんとの約束は実行できていない。
『おう!!山崎、先帰るぞ!!』
『天野さ〜ん、もう帰るんですか〜?』
『なんだよ、その気持ち悪りぃ絡みは。』
そう言いながら笑っている。
ほぼ一年一緒に仕事をしてきてだいぶ慣れたこともあり、天野さんとの会話はいつもこんな感じだ。
『嘘ですよ!!お疲れさまです!!』
『あんま気張りすぎんなよ!!じゃぁな!!』
俺は頭を下げた。
今日は華金か…
みんな早く帰って行くわけだ。
俺も飲みに行きてぇな…
営業をしているせいで、普段の業務時間内にこの作業ができないのがツライ。
なんで俺なんだよ…
そればかりが頭の中を回る。
天野さんが帰ってから暫く作業を続けていた。
時刻は20時を廻ったところだ。
今日も俺だけ残業?
周りを見渡すとどのデスクも綺麗さっぱり片付いている。
その中で一つだけ書類が乗ったままのデスクが…
小宮さん?
それは確かに小宮さんのデスクで、まだ戻ってくるのか?と少しの期待とドキドキが胸を埋め尽くす。
ドキドキしすぎて作業も全然手に付かないけど、今日はもうちょっと頑張ろう。そう思った。
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