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30 入社二年目7月。

今日から城田は一人で回ることになる。 同行営業も終わったわけで… 俺の肩の荷はスゥーっと下りた。 城田とは仲が良かったし、別に気を遣っていたわけでもないけれど、やはり先輩としていいところを見せてやろうといらない欲が出て気張りすぎていたのかもしれない。 一人事務所から近い休憩所でコーヒーを飲んでいた。 『アポ何時?』 急に声をかけられて驚いた。 小宮さん… 『あっ…えっと、10時です!!』 『おっ!!俺も10時。一緒だな。』 そんなことすらも嬉しい。 ということは、今9時半だからもう少し話せるのかな? 『小宮さんもう出ます?』 『いや、まだもうちょっとここにいる。』 『そうですか…』 やばっ。嬉しすぎる。 『お前は?』 『あっ…俺もここに…』 『そっか。』 そう言って互いにコーヒーを飲む。 二人の間に沈黙が続く。 普通なら沈黙なんて空気が重いだけなんだけど、小宮さんとならこの沈黙さえ同じ空気を吸っているんだと嬉しくなる。 『あの…『あのさ…』』 喋り出すタイミングが被ってしまい、二人で笑い合う。 『先どうぞ。』 『おう…あのさ…去年、今度一緒に飲みに行こうって言ったの覚えてる?』 まさかの俺が言おうとしていた話題と同じで驚いた。 『お、覚えてます!!というか、今俺もそれ言おうと思ってたんで…』 『マジか?すげぇな。』 笑顔いただきました。 久しぶりに見た小宮さんの笑顔に胸がキュンとなる。 『いつに…』 『先輩!!!』 小宮さんが何か言い出したと同時に後ろから呼ばれた。 『城田?どした?』 『ちょっと聞きたいことあって…時間大丈夫ですか?』 『あ…うーん…』 仕事の方が大事か… そう思い、俺は小宮さんに頭を下げる。 『すみません!!また!!!』 そう言って城田と事務所に戻ったのだった。

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