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31 入社二年目10月。

あれから小宮さんとはさほど話していない。 朝の挨拶と、帰りの挨拶。 電話の取り次ぎと、アポの確認。 その程度だろうか… あの時二人で飲みに行く約束をちゃんとできていたら、何か変わっていただろうか。 色々考えながら着いたのは居酒屋で… 『お疲れ。』 『おう!!お疲れ。』 『久しぶりだな。』 『だな。』 今日は久しぶりに裕也と隼人との飲み会だ。 『で、裕也の話って何?』 『もしかして…』 隼人が何かを察したのか、笑いながら裕也に詰め寄る。 『彼女ができました。』 『マジか?』 『マジマジ。』 『遊び人の裕也君も年貢の納め時ですか〜?』 俺が茶化すように言うと、二人が同時に俺を見た。 『何!?』 『『で、お前はどうなの?』』 うっ…やっぱりその話題きた… 『どうなのって言われてもな…』 なんとも言えない今のこの状況をどう説明すればいいのかと考える。 『いい子いないの?』 『いい子って…』 『好きな子いないの?』 『好きな子…』 言葉に詰まる。 好きな子?まぁ、好きな人ならいるんだけどな… これだけ言っとくか? でもこれ言うと深く追求してくるよな…絶対。 『お前仕事のしすぎで恋愛忘れたの?』 『はぁ!?』 『絶対そうだ!!』 隼人の意見に裕也が頷く。 バリバリ恋愛してますけど… 絶賛片思い中だけどね。 『まぁ、また今度ちゃんと報告するから。』 それだけ言ってうまく切り抜けた。 会社の先輩(しかも男)に片思いしてます。なんて知ったら、コイツら俺と友達やめちゃうのかな… そんなことが頭をよぎり、少し寂しくなった。

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