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42 入社二年目1月。
寝ていてくれ…寝ていてくれ…
そう思いながら足を進める。
俺も体には自信があったが、あんな体を見せられた後じゃタオル一枚で出て行くわけにもいかず、バスローブをキッチリ着込んで出て行く。
『おう。』
って、起きてたー!!!
しかもバスローブに着替えてるし。
嬉しいような、悲しいような…
寝てくれていたらこのドキドキは収まっていたかもしれないのに、『おう。』という今の一言で、俺の心臓はまたうるさく鳴り響く。
メガネをかけて、片手には本。
本までも似合ってしまうなんて…
あーダメだ。本当ヤバイ。
『寝る?』
『えっ!?あっ!?えっ!?』
『いや、時間も時間だし。』
時計を見ると4時だった。
『もう朝ですね…』
『本当だな。俺結構眠いかも。』
『あっ!!ベッド使って寝てください!!』
『山崎は?』
『俺は居酒屋で寝たんで!!大丈夫です!!!』
『そっか…』
そう言いながら大きなあくびをして、メガネを外し、小宮さんが布団に入る。
俺は…どうする?
シングルの部屋だからかソファっていっても一人掛けだから寝転べないし…
いや、座ってでも寝れるけど…
そうか、ここはずっと起きてて小宮さんの寝顔を拝もうか…
そんなことを色々と考えていると急に話しかけられた。
『一緒に寝る?』
『なっ!!!』
『お前その「なっ!!」っていうの得意だな。』
そう言って小宮さんが笑っている。
『得意というか…』
『どうする?狭いの嫌?俺は別に構わないけど…』
どうする?どうする俺!!
ソファで寝る?床で寝る?
それとも…
『い…一緒に…いいですか?』
言ってしまった…
『どうぞ。』
布団を捲り上げられ、そこにお邪魔する。
小宮さんが少しそこにいたからかなんだか温かい。
壁際には小宮さん。
俺は床に落ちるか落ちないかの瀬戸際の部分に寝る。
『山崎、それ落ちないか?』
『だ、大丈夫です。』
腹筋がピクピクなりそうなぐらい力を入れて耐えている。
ってか、足半分出てるし。
でも、思った以上にシングルのベッドは狭くて…近い。
『あっ…』
ドサッ!!!
落ちた。
『ほら、言っただろ?』
呆れ顔でベッドの上から俺を見下ろす小宮さんがかっこいい…
本当、俺重症だ。
『山崎はこっちな。』
腕をグイッと引かれ立たされると壁際に寝かされた。
小宮さんの触れた部分が熱い…
壁を向きながら寝転んだせいもあってか、そこから動けない。
天井を向くのも無理で、小宮さんの方を向くのも無理。
こりゃ寝返り打てないな…
小宮さんはどこを向いているんだろう?
テレビの方?天井?それとも…
なんだか意識すると背中が熱い。
ドキドキしっぱなしの俺の心臓はいつか鳴り止むときがくるのだろうか?
目を瞑っても、羊を数えても眠れないでいた。
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