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43 入社二年目1月。

「あっ…」 「山崎…ココ、気持ちぃ?」 「んっ…きもち…あっ…」 「可愛いな。」 「やっ…」 「山崎…」 「んっ…小宮…さん…」 『……崎!!山崎!!』 『は、はい!!』 目の前には小宮さん… ここはホテルで…って、服は!? 寝た状態のままのバスローブ。 ってことは… とんでもない夢を見てしまった… 『山崎、電話鳴ってる。』 『えっ!?あっ!!はい!!すみません。』 俺は慌てて電話に出る。 「もしもし!!」 「おう、山崎!!休みなのに悪いな。」 「天野さん!?」 「天野さん?って画面見ずに出たのかよ?」 「ちょっと色々ありまして…」 「そうか。今日なんか予定ある?」 「ないっちゃ…ないですけど。」 俺はチラッと小宮さんに目をやる。 「じゃぁさ、一緒に昼飯食わね?もちろん俺の奢りで。」 「奢り!?じゃぁ…喜んで。」 「OK。んじゃ、12時に駅前のパスタ屋で!!」 「了解です。」 そう言って俺は電話を切った。 『天野?』 『はい。』 『お前ら仲いいな。』 『そうですね…なんか天野さんお兄ちゃんみたいだし…』 『そっか。そしたら準備して出るか。』 『はい。』 俺たちはホテルの出口で別れ、俺は待ち合わせのパスタ屋へと向かった。 しかし…なんという夢を見てしまったのか… いつの間にか寝ちゃってたんだな、俺。 小宮さんの寝顔見損ねた。 でもあの夢…リアルすぎてヤバかった。 で、起きてすぐ生の小宮さん… 天野さんの電話にちょっと救われたかも… そう思った。 『山崎!!』 『あっ!!天野さん!!今日はどうしたんですか?』 パスタ屋の入口で天野さんが待っていた。 『いや、昨日幹事だからって酔ってるお前に片付け押し付けて二次会行ったのがなんか気になってな。大丈夫だったか?』 『だ、大丈夫でしたよ。』 『あれ?ってか、なんでお前スーツなの?』 『うっ…』 何も言えない。 『もしかして、家帰ってない?』 『まぁまぁ、立ち話もなんなんで!!』 そう言いながら俺は天野さんの背中を押してパスタ屋へと入って行った。

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