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49 入社二年目3月。

あれからずっと沈黙が続いている。 俺の頭の中ではずっと城田の言葉が回っていて… 「大切な人」 それは友達や後輩ではなくという意味だろうか? 城田は好きだし、大切だ。 でも城田の言う「大切」とはどういう意味だろう… すると城田が沈黙を破った。 『僕は先輩が好きです。大学生の頃からずっと。それは友達としてとかそういうんじゃなくて…恋愛感情の好きです。』 単刀直入に言われた。 いや、言われてしまった。 これは、俺が一番恐れていたことだ。 男同士の恋愛はハードルが高い。 それはこういう時だ。 付き合えるならまだいい。 断るときにはどうするのか… そして、その後の二人の関係は? 今回は俺も同性愛者?だったからまだいいにせよ、もしも相手がノーマルだったら? 完全に引かれているだろう。 城田の勇気には脱帽する。 でも悪いが気持ちには応えられない。 だって俺は…小宮さんが好きだから。

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