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51 入社二年目3月。小宮side

『山崎!!おめでとう!!』 『天野さん?なんすか?』 天野と山崎の会話に耳を傾ける。 『お前今日誕生日だろ?』 『あれ?なんで知ってんですか?』 『城田が言ってた。』 『あ…』 『去年は知らなくてごめんな。』 『いやいや、そんなこと気にしてませんよ!!』 『よし、誕生日祝いにコーヒー奢ってやる!!』 『ヤッター!!』 ワイワイとはしゃぎながら自販機に向かう山崎を目で追う。 アイツ今日誕生日なのか… でも天野のようにサラリとおめでとうと言えない自分がいる。 どこまで臆病なんだよ… そんなことを考えながら時計を見るとアポの時間が近づいていたので、会社を出た。 一件目のアポが終わり、二件目のアポ先に向かう。 あっ… 街中を歩いていた俺の目に止まったのは、綺麗にディスプレイされた指輪だった。 男女なら誕生日にこういう物を送ったりするのだろうか… なんだか切なくなる。 なんで男同士なんだよ…。 俺が積極的に行けないのはきっとコレも関係していると思う。 次のアポまでもまだ時間があったので、なんとなしに店内に入ってみた。 『いらっしゃいませ。プレゼントか何かお探しですか?』 『あっ…』 『彼女さんにですか?』 『いえ…』 俺はどう答えればいいかわからず、その一言だけ言うと、店の奥に進んだ。

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