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52 入社二年目3月。
城田のおかげで色々な人から誕生日おめでとうと声をかけてもらった。
去年はなかった分、なんだか恥ずかしかったが、人にお祝いの言葉を言われるのは悪くない。
ただ…
一番言って欲しい人には言ってもらえていないわけで…
今日はアポが多いのか、小宮さんはほとんど事務所にいなかった。
それじゃ俺の誕生日が今日だなんて知ることもないわけだ。
朝起きると母さんからメールが届いていた。
内容は、誕生日おめでとうと、仕事は頑張っていますか?
あとは…結婚の報告を待っています…。
俺の結婚はまだかまだかと待っている姿が目に浮かぶ。
申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、俺は今のこの気持ちを押し殺して新しい人を見つける気なんてサラサラない。
本当に俺はこれからどうしたいのか…
自分でもわからないでいた。
今日はアポも全て終わったし、誕生日ということで早く帰ろうと決めていた。
少し寂しいけど、ケーキでも買って帰って一人で食べようかな?
事務所を出ようとしたところで走ってきた小宮さんに出会った。
『よかった…間に合った…』
ハァハァと息を切らせながら小宮さんが言う。
『どうしたんですか?』
『お前、この後暇?』
えっ!?
いきなりの質問に驚いた。
『ひ、暇です!!!』
『よし。じゃぁ飯食いに行こう!!』
『ふぇ?』
『ハハ!!一年前と同じ返事。今日は飲むのなしで飯のみだけどいい?』
『はい!!!』
俺はすごく嬉しくておもいっきり返事をした。
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