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60 入社三年目4月。
『本当にすみませんでした!!!』
月曜日、朝一番に城田に謝られた。
『僕、悪酔いして…本当、どうお詫びしたらいいのか…』
『もういいよ。気にするな。』
『先輩…』
まぁ、お前のおかげで小宮さんとキスできたからな…
なんて口が裂けても言えないけど、ちょっと感謝してたりする。
まさか小宮さんがヤキモチ妬いてくれるなんて…
あの日は小宮さんの可愛い姿にドキリとした。
『小宮さんにも謝っておかないと…』
『えっ?なんで!?』
『いや、手出しちゃったみたいになってますし…』
『じゃなくて!!知ってんの…?』
『お二人見てたらわかりますよ?』
真顔でそう言われた。
これは相当マズイんじゃないか?
天野さんと城田はいいとして、他の人にバレたりしたら…
考えただけでも寒気がした。
『バレバレなの?』
『そうですね…先輩の顔がゆるゆるなんで。』
『う…』
ダメだ。
もっと気をつけないと…そう思ったのだった。
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