65 / 147

65 入社三年目6月。小宮side

誘い方無理矢理すぎたかな…? シャワーを浴びながら考える。 付き合って3ヶ月近く経つが、キスをしたのはあの歓迎会の後の一度きり。 会って一緒に飯を食ったのだって今日が初めてだ。 お互い仕事が忙しくてなかなか時間が合わない。 やっと二人きりで会えたのだから、触れたいと思って当然だろう。 体を拭いて服を着る。 髪の毛を拭きながらリビングに行くと、ベッドにもたれて座りながら山崎が眠っていた。 この寝顔を見るのは何度目だろうか。 今まで何度この寝顔にキスしたかったか… そっと山崎に近付き髪をサラリと撫でる。 拭きさらしたその髪は少し湿っていて、シャンプーのいい香りがした。 俺と同じ匂い… それだけで興奮する。 寝込みを襲うのはなんだか忍びない気がして、キスだけで我慢しようと頬に触れる。 いや、キスだけでも十分襲っているか…と自分に突っ込みを入れるが、もう我慢はできない。 整った唇にそっと口付ける。 『ん…?』 山崎が目を擦りながら薄く目を開けた。 『小宮…さ…』 全てを言い切る前に俺はもう一度唇を塞いだ。

ともだちにシェアしよう!