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77 入社三年目11月。
『ごちそうさまでした!!美味しかったです!!』
『喜んでもらえてよかったよ。』
『今度料理教えてもらえますか?』
『俺でよければいくらでも。』
そう言ってニッコリ笑う小宮さんにまた見惚れる。
いつ見ても何度見てもかっこよくて…
この人と付き合ってるなんて信じられない。
『山崎。』
『あっ…はい!!』
『映画好き?』
『好きです!!』
『これ見る?』
そう言って出して来てくれたのは俺がずっと見たかった洋画のDVDだった。
『うわ!!俺これ見たかったんですよ!!でもずっと借りられてて…』
『よかった。じゃぁ一緒に見るか。』
DVDをプレーヤーにセットして再生ボタンを押してくれた。
普通に映画を見ているだけなのに俺の心臓はなぜだかドキドキしっぱなし。
せっかくの映画の内容も全然頭に入ってこない。
隣をチラリと盗み見ると真剣な眼で映画を見る小宮さんが…
ダメだ…俺、意識しすぎ。
2時間弱の映画がとても長く感じられた。
『面白かったな。』
『そ、そうですね。』
『ん?どした?』
『いや、なんでも…』
『なぁ、今日泊まってく?』
サラリとされた質問に俺の心臓は口から飛び出そうになる。
『えっ…あっ…えぇ!?』
『いや?』
『い、嫌じゃないですけど!!!』
『けど?』
『き、緊張するというか…なんというか…』
『いつまで緊張してんだよ…俺は早くお前と一つになりたいのに…』
そう言いながら小宮さんが俺の尻を撫でた。
『ヒィッ!!!』
『って、冗談。お前いい反応するな。』
そう言って笑っている。
『なんか飲む?』
そう言われ俺は頷いた。
本当、心臓に悪い。。。
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