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80 入社三年目11月。

『山崎…』 名前を呼ばれ、キスをされる。 小宮さんの手は相変わらず俺のモノを握って離さない。 俺も…と思い、一旦離した手を小宮さんのモノへと伸ばす。 ヌルリとした感覚に小宮さんも先走りを流しているのだとなぜか安心した。 と同時に、なぜかやたらと興奮してゆるゆると上下に扱き出す。 『あっ…山崎…』 いきなりのことに驚いた小宮さんが眉間にシワを寄せる。 『山崎とこんなことしてるってだけで興奮してんのに、そんなに扱かれたらすぐ出ちゃうよ…』 か、可愛い… かっこよかったり、可愛かったり… なんなんだ、この人はまったく。 心の中でそう思う。 『山崎…』 『はい…』 『どうする?一回イっとく?』 そう聞かれ俺は頭にハテナを浮かべる。 一回イっとく?って一回イって終わりじゃないのか? ………………。 あっ… ネットで検索したときのことを頭の中で思い出す。 ということは、やっぱり今の位置からしても俺は受けの方ということなのだろうか? 『どうする?』 もう一度聞かれハッと気付いた。 『あっ…えっと…』 『やっぱり怖い?』 『じゃなくて…俺、全然知らないというか、なんていうか…』 『俺も…ネットで検索したりして、調べただけなんだけど…』 二人してなんか笑ってしまった。 なんだか俺の緊張の糸は解れてとても気が楽になった。 小宮さんは男性童貞で、俺は処女。 そう思うことでお互い初めて同士、なんだか楽しくなってきた。 『よし。じゃぁ気を取り直して。もう流れで行こうな。』 『はい。』 そして俺たちはもう一度唇を重ねた。

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