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92 入社三年目3月。

『うちに来ないか?』 『行きます…』 次の日が仕事とかそんなの関係なく、店を出て小宮さんの家に向かう。 2人でいれる時間をすごく大切にしたい。 これから毎日会えなくなる…そう思うだけで 胸が締め付けられる気分だった。 『お邪魔しま…んっ…』 扉を開けて中に入るなり俺の腕をグイッと引っ張り小宮さんが俺の唇を塞ぐ。 『んんっ……っ…』 いきなりのことに驚いたが唇を割って入ってきた小宮さんの舌をすんなりと受け入れる。 もっと…もっと…とお互いの舌を絡め合う。 溢れた唾液が2人の口の端から漏れた。 『ハァ…』 唇を離すと小宮さんが俺を抱きしめた。 『すまん…余裕なかったの俺だ。2人きりになったら居ても立っても居られなくて…』 と、少し体を離し俺の顔を真っ直ぐ見つめて小宮さんが言う。 『もう一回…いいですか?』 なんだか甘えるように言ってしまいすごく恥ずかしかったが、小宮さんが俺の言葉に応えてキスをくれる。 お互いの口内を貪り合い、足だけで靴を脱ぐと、2人でなんとか廊下を歩きベッドになだれ込む。 『山崎…俺、ほんと余裕ない…』 そう言いながら小宮さんが自分のスーツのジャケットを脱ぎ捨てると俺のジャケットも脱がせてくれた。 ネクタイを緩め、シャツの一番上のボタンを外すとまた俺の唇を塞ぐ。 キスをしながら器用に俺のネクタイをスルリと抜き取り、シャツのボタンを外して行く。 俺も負けじと小宮さんのネクタイを抜き取り、ボタンを外す。 『あっ…』 シャツを左右に開き、俺の首筋から胸にかけて小宮さんが舌を這わせる。 それだけで俺のモノは張り詰める。 余裕ないのは俺の方だよ… 胸の突起を甘噛みされ、全身に甘い痺れが行き渡る。 背中からゾクゾクが広がって、甘い声が漏れた。 『あっ…ハァ…』 『山崎…俺のっていう印付けていい?』 『印?』 『うん。変な虫が付かないように…』 『いいですよ…』 俺が返事をすると小宮さんは迷わず左胸に唇を押し当てる。 『んんっ…』 結構な力で吸われ、少し痛かったがそんなことよりも小宮さんに印を付けたいと言われたことが嬉しくて我慢する。 『よし…付いたよ…』 なんだか満足気な小宮さんを見ているとこっちまで顔が綻ぶ。 『山崎…』 大好きな掠れ声で名前を呼ばれゾクリとした。 『なんですか?』 『今日はお前のこと壊しちゃうかもしんない…』 そう言うと小宮さんが俺の唇を強引に塞いだ。

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