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107 入社四年目5月。
小宮さんが転勤して早一ヶ月。
4月は仕事のことや送別会なんかでちょこちょこ東京に来ていた小宮さんも、5月はちっともこっちに来ない。
土日も向こうの片付けなど、なんやかんや忙しいみたいで、全然会えなくて…
あー、やべ…
小宮さん切れだ…。
机にうな垂れていると、目の前に缶コーヒーが差し出された。
『天野さん?』
『俺の奢り。それ飲んで元気出せよ。って、缶コーヒーごときじゃ元気も出んか?』
そう言って天野さんが笑っている。
『天野さん…』
天野さんの優しさに涙腺が緩みそうになる。
本当、この人はお兄ちゃんみたいだ。
俺、いい先輩もったな…
『アポは?』
『今日は昼からしか入ってないんで。』
『そうか。』
『山崎。』
『あ…西野さんだ…』
あれからなんだか気まずくて西野さんとは必要最低限関わらないようにしている。
『お呼びだぞ。』
天野さんが言うので渋々西野さんの元へ行く。
『な、なんでしょう…』
『そんなにビビんな。会社でお前のこととって食おうなんて思ってねぇよ。』
『は…はい…』
『今日な、部長に飲みに行こうって誘われてるんだけど、お前どうだ?』
『どうだって言われても…』
『天野も誘うか?』
『あっ…それなら…』
『よし。聞いてこい。』
そう言われ天野さんに聞くとOKが出たので、夜は飲みに行くことになった。
小宮さんに報告したらまた心配しちゃうのかな…
でも報告しとかないとダメな気もするし…。
なんだって俺はこんなことになってんの?
なんの変哲も無い日常。
小宮さんと付き合ってラブラブで…
休憩所で喋ったり、アイコンタクトしたり、あんな日々はいつか戻ってくるのかな?
左手の薬指を見て溜息が出た。
メールだけ入れとこ…
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