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108 入社四年目5月。小宮side
今月は忙しくて東京に全然行けていない。
電話やメールはちょこちょこしているが、やはり直接会って話したいな…と思う。
そして触れたい…
休憩所でコーヒーを飲みながら左手の薬指を見る。
ほんと、こんな物で山崎を縛り付けるなんて…
俺は学生かよ…。
いい年した大人。
山崎が女なら確実にこちらに連れてきて結婚を申し込んでいただろう。
はぁ…
溜息をつきながら左手の指輪を撫でた。
『小宮さんって結婚されてるんですか!?』
『あっ…えっ!?何!?ごめん…結婚!?』
『いや…指輪はめられてるし、結婚されてるのかな?と。』
『あっ…結婚はしてないよ。考えてはいるけど。』
『そうなんですか…彼女さんは可愛いですか?』
『そうだね…すごく可愛いよ。』
『キャー!!!彼女さん羨ましい!!!また今度紹介してくださいね!!!』
そう言って三人の女性社員が走って行った。
…って、紹介できるか!!
まさか俺が男と付き合ってるなんてみんな思ってないんだろうな…
こっちに来て指輪をはめていると、やたらとみんなに結婚してるんですか?とか、彼女いるんですか?とか聞かれる。
指輪って結構効果あるんじゃん!!なんて思いながら山崎に言うと、あっちは全然指輪に触れられないらしい…
部長が勝手に山崎をモテないキャラにしたからな…
ということは、指輪の効き目はないということか…。
はぁ…
もう一度溜息をつき、コーヒーを飲み干した。
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