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109 入社四年目5月。
『小宮さんに連絡した?』
『はい…一応メールだけ。』
『なんだって?』
『天野さんがいるなら大丈夫かな?って。』
『うお!!俺めっちゃプレッシャー…』
『ま…まぁ、西野さんもあれから何も言ってきませんし、部長もいるし、何もないですよね…俺気にしすぎかも…』
『そうだな…』
天野さんの意味深な返事が気になったが、待ち合わせの居酒屋へと足を急いだ。
『まだ来てないな。』
『よかった…部長待たせるとかありえないですもんね。』
少し息を切らせながら席に着く。
『おう!!今日はすまんな!!』
『部長、お疲れさまです。』
部長と一緒に西野さんも来て、全員が揃ったので乾杯をして飲み始める。
『山崎、お前何年目になった?』
『四年目です。』
『ほう。もう四年目か。一年目は俺によく怒られたな。』
そう言って部長が笑っている。
そうだった。
顧客が全然掴めなくて怒られたっけ。
毎日残業して知識詰め込んで…
懐かしいな…。
『今のお前はとてもよく頑張ってる。期待してるからな。』
『あ、ありがとうございます!!!』
なんだかすごく嬉しくて涙腺が緩みそうになった。
『ところで山崎。結婚はいつだ?』
『は?』
『いや、その左手の指輪。結婚指輪じゃないのか?』
『いや、まぁ…その…んー…。』
結婚指輪って…
年寄りにはペアリングという概念はないのか?
って、これに気づいてたの!?
『部長、これに気づいてたんですか!?』
『気づくも何も、彼女いないってずっと言ってたお前がそんなものつけてたらすぐに目が行くよ!!』
『あ…なるほど。』
『で、いつだ?結婚は。』
『いつって…』
『あっ!!そうだ!!小宮も結婚するんだろ?』
『えぇ!?』
『いや、転勤の話をした時に辛そうなんでこっちになにかあるのか?って聞いたら彼女だっていうから連れて行って結婚しろって言っといたんだよ。それに、大阪でも指輪つけてるらしいし、小宮目当ての女子社員が小宮さんが結婚しちゃう…って泣いてたらしいぞ?』
『へぇ…』
なんかもう言葉が出ない。
と、同時に冷や汗タラタラ。
天野さんを見るとニヤニヤしてるし…
『とにかく、小宮にも言ったが、お前も結婚式するなら俺を呼んでくれよ。』
そう言われ肩を叩かれた。
小宮さんの相手が俺だなんて知ったら部長は失神でもしてしまうんだろうか…
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