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110 入社四年目5月。
『あっ…ちょっとお手洗いに。』
ヘベレケになり始めた部長に絡まれ始めたので飲まされすぎる前にトイレへと逃げた。
今日こそ飲みすぎてはいけないとトイレで気合いを入れる。
天野さんに部長押し付けて来ちゃったけど大丈夫かな?
そんなことを思いながら手を洗い、トイレを出ようとした。
『山崎、今日は酔ってないの?』
『西野さん…』
ちょうど入ってきた西野さんに足止めをくらい、なかなか外に出れない。
『今日は酔ってません。じゃぁ、俺先に戻りますんで。』
『待って!!』
ガシッと腕を掴まれた。
『痛ッ!!なんですか!?』
『俺、本気なんだけど。』
『はぁ!?そんなの知りませんよ。』
『小宮やめて俺にしない?』
『わけがわかりません。』
『遠距離辛くない?』
『ほっといてください!!』
腕を振り解こうとするけれど、力が強すぎてビクともしない。
『遠距離だったらこういうこともしたいときにできないじゃん?』
そう言って、ダンッ!!と俺を壁に押し付けると強引に唇を塞がれた。
『んん!!』
気持ち悪い…
強引に唇をこじ開けようとしてくる舌を拒否する。
『あっ…』
急に下半身を撫でられ力が抜けてしまい、舌の侵入を許してしまった。
『ん…』
クチュクチュと口内を掻き混ぜられ頭がボーッとする。
嫌なのに…嫌なはずなのに…
悔しいかなすごく上手いキスに下半身が反応する。
『ハァ…ハァ…』
『この後2人で抜けない?』
『抜けません!!』
それだけ叫ぶと、少し疼き始めた下半身を気にしながら部長達の元へと戻った。
『おう!!山崎大丈夫か?酔った?顔赤いけど…』
『大丈夫です…』
天野さんにだけは言おうか…
でも小宮さんに伝わったらきっと心配する。
これは俺の心に秘めておこうかな…
まだ鎮まらない下半身をそっと押さえながらお開きになるまで耐えたのだった。
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