111 / 147
111 入社四年目5月。
『ハァ…ん…』
ドピュッと白濁をティッシュに取り、肩で息を整える。
家に着くなり自慰をした。
最近抜いてなかったもんな…。
小宮さんと体の関係を持ってから、一人ですることを抑えていた。
その方が小宮さんとするとき断然気持ちがいいし、何より一人ですることが虚しくなってしまった。
でも…西野さんが言ってたことも確かなんだよな…。
したいときにできない。
手を繋ぐことも、抱きしめ合うことも、キスもセックスも…
小宮さんが大阪に行ってまだ一ヶ月だというのになんだろう…この疲労感。
遠距離ってこういうことか…
辛い。
俺、本当に耐えられるんだろうか?
寂しい…
寂しすぎて死んじゃうよ…
なんだか後ろめたい気持ちのせいか、家に着いたと電話ではなくメールしかできなくて、携帯を握りしめたままいつの間にか眠ってしまっていた。
「山崎。俺たち別れようか…」
「えっ!?」
「いや、遠距離はやっぱり無理なんだよ。」
「…」
「それに、お前そっちで西野となんかあっただろ?」
「えっ?なんかって…」
「キスしただろ?」
「あれは…」
「無理矢理かもしれないけど、それを受け入れるお前もお前だ。もう俺たちは無理なんだよ。」
「ちょっ…小宮さん!!」
「俺もこっちで彼女ができた。実は子供もできた。結婚するよ。」
「はぁ?ちょっ…小宮さん!!小宮さん!!!」
『小宮さん!!!』
って、あれ?夢?
『はぁ…』
汗グッショリ。
とんでもない夢を見た。
俺も俺だけど、小宮さんに彼女+子供って…
結構リアル。
ハンパない疲労感に会社を休みたくなるが、なんとか起き上がり準備をして会社に向かったのだった。
ともだちにシェアしよう!