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111 入社四年目5月。

『ハァ…ん…』 ドピュッと白濁をティッシュに取り、肩で息を整える。 家に着くなり自慰をした。 最近抜いてなかったもんな…。 小宮さんと体の関係を持ってから、一人ですることを抑えていた。 その方が小宮さんとするとき断然気持ちがいいし、何より一人ですることが虚しくなってしまった。 でも…西野さんが言ってたことも確かなんだよな…。 したいときにできない。 手を繋ぐことも、抱きしめ合うことも、キスもセックスも… 小宮さんが大阪に行ってまだ一ヶ月だというのになんだろう…この疲労感。 遠距離ってこういうことか… 辛い。 俺、本当に耐えられるんだろうか? 寂しい… 寂しすぎて死んじゃうよ… なんだか後ろめたい気持ちのせいか、家に着いたと電話ではなくメールしかできなくて、携帯を握りしめたままいつの間にか眠ってしまっていた。 「山崎。俺たち別れようか…」 「えっ!?」 「いや、遠距離はやっぱり無理なんだよ。」 「…」 「それに、お前そっちで西野となんかあっただろ?」 「えっ?なんかって…」 「キスしただろ?」 「あれは…」 「無理矢理かもしれないけど、それを受け入れるお前もお前だ。もう俺たちは無理なんだよ。」 「ちょっ…小宮さん!!」 「俺もこっちで彼女ができた。実は子供もできた。結婚するよ。」 「はぁ?ちょっ…小宮さん!!小宮さん!!!」 『小宮さん!!!』 って、あれ?夢? 『はぁ…』 汗グッショリ。 とんでもない夢を見た。 俺も俺だけど、小宮さんに彼女+子供って… 結構リアル。 ハンパない疲労感に会社を休みたくなるが、なんとか起き上がり準備をして会社に向かったのだった。

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