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120 入社四年目7月。

やっぱ意識しないなんて無理だ…。 朝からとても憂鬱で、家を出る足取りも自然と重くなる。 行きたくない… 待ち合わせの駅までそう遠くないはずなのにトボトボと歩く体は疲労感満載だ。 『おはよう。先輩より遅いってどういうこと?』 『す…すみません…』 結局タラタラ歩いたせいで西野さんに嫌味を言われることになってしまった。 ホームを無言で歩き、新幹線の車内へと乗り込む。 近い… 席も隣なんだし当たり前だけど、変に意識しているせいか、異様に近い気になる。 『はぁ…』 『なに?そんなに俺と出張が嫌なの?』 『あっ!!すみません!!そんなつもりじゃ…』 俺はアホか。 溜息つくとかどんだけ失礼なんだよ。 『俺は嬉しいんだけどなぁ…』 『えっ!?』 『部長にお願いしてよかったよ。出張の相方は山崎にしてくださいって。』 『はぁ!?』 『まさか通るとは思わなかったけど…』 そう言いながら西野さんが笑っている。 コノヤロー。やっぱりそういうことか。 だって俺が選ばれるなんておかしいと思ってたんだ。 天野さんだっているし、佐藤だって。 他にも優秀なやつはたくさんいる。 なのに俺って… はぁ…マジ憂鬱。 『大丈夫。小宮の前では何もしないから。』 『小宮さんの前ではって…』 『今は小宮いないからいいよね?』 そう言いながら手をギュッと握られた。 『バッ!!!何すんですか!!!』 俺は手を払いのけて西野さんから遠いところへと手を隠す。 『あれ?残念。』 なんなんだこの人は。 こんな朝っぱらから振り回されて… この人と2日間一緒にいると思うとげっそりする。 『言っときますけど、俺は西野さんに興味ありませんから。』 『ふぅーん。まぁ言ってればいいよ。』 なんだその余裕綽々な態度は。 イライラしながら新幹線は発車した。

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