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121 入社四年目7月。

大阪に着いた頃の俺は、寝たら何をされるかわからないと寝るにも寝れず、どっぷりと疲労感に浸っていた。 『よし、行こうか。』 そう言われ本社までの道のりを歩く。 もう少ししたら小宮さんに会える!! そう思うことでなんとかやる気を出し、本社へと向かった。 新人対象の育成講義では、やはり仕事はキッチリしているのか西野さんの話はとてもわかりやすく、俺も勉強になった。 この人プライベートさえキッチリしてれば完璧なのに… そう思いながらチラッと西野さんを見るとバチッと目が合ってしまい焦って目を逸らす。 『なに?恥ずかしがってんの?』 『恥ずかしがってません。』 会話に乗ってはいけないと自分に言い聞かせそこまで言って押し黙る。 今は会議室に西野さんと二人きり。 もう少ししたらここに小宮さんが迎えにきてくれるはずなんだけど… んー。遅い。 この雰囲気耐えられない… そう思い立ち上がりウロウロと歩き回る。 『ちょっと、座ってろよ。目の前チョロチョロするな。』 『それは、すみませんでした。』 謝ると俺はまた席に着いた。 小宮さん早く……… その願いが届いたのかガチャリと扉が開き小宮さんが入ってきた。 『お疲れ。』 『お疲れさまです!!!』 バッと立ち上がって挨拶する俺に西野さんがフッと笑いを漏らす。 『彼氏の登場でホッとしたってか?バレバレ。』 そう言われなんだか恥ずかしくなり俯く。 『お前な、あんまり山崎いじめんなよ。』 小宮さんが俺をかばってくれた。 『いや、好きな子はいじめたくなるって言うじゃん?』 ニヤリと笑いながら言う西野さんに小宮さんが溜息をつく。 『なんだ。まだそんなこと言ってんのか。もう諦めろよ。俺達の間にお前の入る隙間なんて1ミリもねぇよ。なぁ、山崎?』 急に話を振られドキドキしながら頷く。 今、小宮さんサラリと恥ずかしいこと言った!!そう思うのになんだか嬉しくてニヤニヤしてしまう。 『それはお熱いことで。』 ケッと言いながら西野さんがチラリとこちらを見る。 ?と頭にハテナを浮かべていると、西野さんが自分の左手の薬指を指差しながら言う。 『二人一緒にいるときにソレ付けてていいの?』 ハッ!!と思い左手の薬指に目をやるとキラリと光る指輪。 しまった!!と思い焦って外そうとする俺に小宮さんが言う。 『いいんじゃない?付けてて。』 それはどういう意味かと考えを巡らせていると西野さんが言う。 『おっ!!堂々の彼氏宣言ですか?熱いねぇ。』 それを聞いた俺は耳まで真っ赤になり、今にも倒れてしまいそうだった。

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