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122 入社四年目7月。
堂々の彼氏宣言。
西野さんはそう言ったけど、男同士でペアリングをはめているなんて思う人はこれっぽっちもいないわけで…
講義の後に行われている懇親会でも女性社員の方々に彼女いるんですか?とか結婚されてるんですか?とか聞かれるだけだった。
なんかちょっとショック…。
いや、バレるのもどうかと思うけど。
懇親会では飲み過ぎに注意してなんとか1日を終えた。
西野さんは偉いさん達と話してるし、俺は部屋にでも戻ろうかな。
懇親会が開かれたホテルに部屋を取ってあり、部屋の階へ行くためエレベーターに乗り込む。
扉が閉まりかけたとき、走って一人入ってきた。
『小宮さん!?』
『おう。部屋戻んの?』
『はい。』
『ちょっとだけ…いい?』
チンという音と共に扉が開き、部屋まで廊下を歩く。
部屋の鍵を開け、中に入るなり唇を塞がれた。
『んっ…』
唇を離し、小宮さんが言う。
『我慢できなくて…すまん。』
なんだか可愛い。
『いえ…』
『西野になんかされてないか?』
『大丈夫ですよ。あっ…でも来るとき…』
新幹線で手を握られたことを正直に話した。でもすぐに振り払ったことや、その後も警戒して寝れなかったことを話すと優しく頭を撫でてくれた。
『本当に守ってやれなくてごめんな…』
『いやいや、俺も男ですからそれぐらいは自分で…』
『そっか…そうだよな。』
男同士の恋愛がこんなにうまくいっているなんて不思議だ。
好きで好きで仕方が無い。
俺達が別れることなんてあるのだろうか…
そんなことさえも思ってしまう。
小宮さんが大阪に来てまだ三ヶ月。
まだまだこれからもっと辛いことがあるかもしれないけど、頑張ろう。
そう思った。
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