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124 入社四年目7月。

なんで俺がこんなことまでしなきゃなんねぇんだよ。 と、半分ヤケクソで西野さんをベッドに放り投げる。 これでいいか? そう思うのに俺のお人好し精神が黙っていなくて、ジャケットにシワできんじゃね?とか思い、脱がせてハンガーにかける。 はぁ… と、溜息をつき部屋に戻ろうかと思うけど、ネクタイが苦しそうに見えて、もう一度近付いてネクタイを外してやる。 その瞬間、パチッと目を開けた西野さんが俺の腕を掴む。 『えっ!?』 『ネクタイ外されて、俺襲われちゃうの?別にいいけど。』 『はぁ!?酔ってたんじゃ…』 『酔ってる酔ってる。まだ頭ボーッとするけど、だいぶマシ。』 なんだそれ。 俺絶対ハメられた。 そう思った瞬間グイッと腕を引かれベッドに組み敷かれてしまった。 『ちょっ…』 『ちょっとだけ…期待してたっしょ?』 なんとも意味のわからないことを言いながら俺の唇を塞ごうとしてくる。 俺は必死に頭を左右に振り避ける。 ヤダヤダヤダヤダ。絶対ヤダ。 小宮さん以外とキスなんて絶対したくない。 そう思うのに体格差からくる力の差は歴然で、あっという間に押さえ込まれて唇を塞がれる。 『んんー!!』 足をバタバタとさせながらなんとか逃げようとするけど、全然ダメで… 無理矢理こじ開けられた唇の隙間から舌が差し込まれグチュグチュと中を掻き混ぜられると唾液が口の端から溢れる。 それと同時に俺の目からも大粒の涙が溢れて… 本当に嫌だ。 そう思っていると急にピタリとキスが止まった。 目を開くと少し寂しそうな顔をした西野さん。 『すまんな。』 それだけ言うと俺の上から下りて、俺の乱れた服を直してくれた。 『西野…さん?』 『俺な、今まで欲しいと思うやつは男でも女でも全部手に入れてきたんだよ。今みたいにこうやって無理矢理なんてことも多々あった。みんな最初はお前みたいに嫌がるんだけど、俺とキスするとみんな俺に夢中になるんだよ。だからお前みたいに精一杯拒否してくるやつ初めて見た。そんなに小宮のこと好きか?』 『は…はい。』 いきなりの問いに驚きつつも返事をした。 『もうお前のことは諦めるよ。』 『本当ですか?』 『うーん。惜しいけどな。でもなんかお前ら見てたらなんか無理っぽいなーって。』 『そうですか…』 『だから帰ってよし!!!』 そう言われ一礼すると西野さんの部屋を出た。

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