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127 入社四年目10月。

なんて言おうか? おかえりなさい!! かな? 待ってました!!! いや、待ってましたはなんかちょっと違うか… やっぱ普通におかえりなさいかな? 1日付けの人事異動だったけど、引き継ぎの関係で10月も半ばを過ぎた頃、小宮さんが帰って来る日が決まった。 『おう。』 少し照れ臭そうに事務所に入ってくる小宮さんにみんなが『おかえりなさい!!』と声をかける。 『おかえりなさい!!』 『山崎、ただいま。』 あぁ…ここが会社じゃなかったら完全に抱きついてた。 それぐらい嬉しくて… 涙が溢れそうになるのを必死に堪える。 思っていたよりも短い遠距離恋愛だったけど、想像以上に辛くてとても長く思えた。 本当に三年間の遠距離だったとしたら耐えられていないと思う。 早く仕事が終わらんものかと時計と睨めっこをする。 今日は小宮さんのおかえりなさい会を二人ですることになっていて、夕方のアポは一切入れていない。 『山崎、仕事しろ〜』 ニヤニヤしながら天野さんがアポのために事務所を出て行く。 天野さんには今日小宮さんとそういう会をすることを伝えており、今日ぐらい早く帰ってもいいと許可をもらった。 定時で机を片付けて家へと急ぐ。 小宮さんの家はまだ片付いていないということでうちですることになった。 買い物をして家に帰る。 ケーキとお酒と… 沢山買い込み準備を始める。 そうこうしているうちにインターホンが鳴った。 『はーい。』 ガチャリと扉を開けると小宮さん。 『おかえりなさい!!!』 そう言って抱きついた。 『ん?なんかいい匂いする。』 『あっ…美味しいかわからないけど…作ってみました。』 目の前にお皿いっぱいの大きなオムライスを出すと小宮さんが喜んでくれた。 『うまく作れるようになったんだ。』 『はい!!!』 そして二人でそれを食べながらお祝いする。 本当に嬉しいと心の底から思える。 明日からまた一緒に仕事ができると思うとワクワクして… よし、頑張ろう!!!そう思った。

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