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131 入社四年目12月。

『お疲れーっす。』 『おう。お疲れ。本当久しぶりだな。』 久しぶりの裕也と隼人との飲み会に少しテンションの高い俺。 本当、何ヶ月ぶりだろう? 『『『カンパーイ!!!』』』 三人で声を出し、ガチンとジョッキを合わせる。 一気にビールを飲み干し、ダンッとジョッキを机に置いた。 『うめぇー!!やっぱ仕事終わりはビールだな。』 『だな。っておい!!!お前なんだよコレ!!!』 そう言いながら裕也が俺の左手を掴む。 『うわ!!本当だ。何これ。』 ん?と思いながら左手を見ると薬指にキラリと光る指輪。 しまった… そう思った時にはすでに遅くて…。 『報告忘れてない?』 そう言いながら怖い顔をした二人が俺を睨む。 えぇーい!!ここはもう腹をくくるしかない。 と、決意する。 本当の親友だからこそ伝えておかないといけないことなのかもしれない…。 『あのな…俺、今付き合ってる人がいる。』 『そりゃ指輪見たらわかるよ。』 『で、どんな子?可愛い?もしかして好きだって言ってた子かよ?』 二人はどんな子を想像しているんだろうか。 これを言ってしまうと友達をやめられてしまうかもしれない…と心が怯むが、しっかりしろと自分を叱咤する。 『俺が今から言うこと、驚かず落ち着いて聞いてほしい。』 俺の真剣な表情で空気を読んだのか、ニヤニヤしていた二人の表情も真剣になり正座へと座り直した。 『あのな…俺には今、付き合ってる人がいる。その人は年上で、会社の先輩だ。頼りになるし、いつも俺の支えになってくれるし、仕事もできる。すごく尊敬できる人なんだよ。』 そこまで言うと二人は頷く。 『でな、その人は男なんだよ。』 そう言うと二人の顔はみるみると変わる。 俺を軽蔑するような目に変わるのかと思いきや、目を瞑り二人して首を横に振る。 そして笑い出したと思ったら… 『よかったじゃん。』 裕也の一言に驚いた。 『俺たちなんとなく気付いてたよ。』 隼人が優しい笑顔でそう言う。 『えっ?』 『いや、好きな子の話もあまりしたがらないし、なんか様子がおかしいし。この前言ったお前コッチ?とかいう冗談も間違ってねぇのかななんて思ったりして…』 そう続ける裕也はどこか嬉しそうだ。 『お前ら引かねぇの?』 『いや、どうせたまたま好きになったのが男で…とか言うんだろ?そんなことで友達やめてたら親友が泣いて笑うよ。』 そう言いながら二人が笑う。 俺は本当にいい友達、いや、親友を持った。 俺のことをよくわかってくれていて、優しく見守ってくれる。 コイツ達がいて本当によかったと心から思った。 『今度紹介してくれよ?』 『また聞いとく。』 そんなこんなで楽しい夜は更けて行った。

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