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132 入社四年目12月。

『ただいま…』 って寝てるか。 そう思いながらそっと部屋に入る。 『おかえり。』 小宮さんがテレビから俺に視線を移し言う。 『あれ?起きてたんですか?』 『飲み過ぎたら迎えに行かなきゃいけないなって、スタンバイしてた。』 笑いながら言う小宮さんにご心配おかけしましたと頭を下げる。 『楽しかった?』 『本当楽しかったです。いいこともあったし。』 『ん?なに?』 『俺、話したんですよ。小宮さんのこと。』 そう言うと目を丸くさせて小宮さんが俺を見る。 『大丈夫だったのか?』 すごく心配そうな小宮さんに俺は言う。 『はい。やっぱり持つべきものは親友ですね。受け入れてくれました。今度紹介しろ!!だそうです。』 そう言うと小宮さんが頭を撫でてくれた。 『いい親友持ってよかったな。』 『はい!!』 『俺も頑張らなくちゃな。』 そう言って小宮さんが笑った。

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