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番外編3 入社四年目3月、新婚旅行編。

『ん…?』 『おはよう。』 『おはよう…ございます。』 寝ぼける俺に優しくキスをして、小宮さんが支度を始める。 『どっか出かけるんですか?』 『うん、いいとこ。山崎も早く着替えな。』 今回の旅行は全て俺に任せてほしいと言う小宮さんに甘えて、プランを練るのも何もかも小宮さんにお願いしてしまった。 だから俺はこの旅行で何をするのか、どこへ行くのか全く知らないわけで… 支度を終え、ホテルを出るなり小宮さんに言われるまま歩き続ける。 『結構歩きますね…』 『もうちょっとかな?』 ホテルから20分ぐらい歩くと目的地に着いた。 『教会…?』 『教会。』 俺の手を取ると小宮さんは教会に向かって歩き出す。 入口の前で止まると俺に向き直った。 『山崎…もう一回言うな。俺と、結婚して下さい。』 『…はい……。』 大きく頷きながら返事をすると、小宮さんは「よし!!」と言いながら教会の扉を開けた。 『ようこそいらっしゃいました。』 片言ではあるが日本語がとても上手い牧師さんがいた。 『こんにちは。』 日本語が喋れると知り、俺も日本語で挨拶する。 『Mr.小宮?』 『はい。』 『では、始めましょう。』 そう言うと牧師さんは俺たちを入口に置いて奥へと歩き出した。 何が何だかわからず戸惑う俺に小宮さんが言う。 『結婚式挙げよう。正式なやつじゃないけどな…』 俺は嬉しくて少し涙ぐみながら大きく頷いた。 牧師さんの合図で俺たちは歩き出し、牧師さんの前まで行く。 手を繋いで歩くバージンロードはすごく恥ずかしかったけど、とても嬉しかった。 『圭介。汝は、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、 共に歩み、死が二人を分かつまで、愛を誓い合うことをここに誓いますか?』 『誓います。』 『智。汝は、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、 共に歩み、死が二人を分かつまで、愛を誓い合うことをここに誓いますか?』 『誓います。』 『それでは誓いのキスを。』 そう言われ、恥ずかしながらも二人で向かい合うと触れるだけの優しいキスをした。 牧師さんに促されるまま外に出ると、その教会で引き取られている孤児達がフラワーシャワーをしてくれ、俺はすごく嬉しかった。 本物じゃなくてもいい。 こうやって小宮さんと結婚式を挙げれてすごく嬉しい。 これからもずっと一緒にいたいと心から思った。 『小宮さん…ありがとうございます。』 『こちらこそありがとう。これからもずっと一緒にいような。』 そう言われ、俺は大きく頷いた。

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