4 / 59
◆
「先生! もうっ、どこに行かれていたんですか!! 早く書いてください、原稿の締め切り、明日なんですよ?」
俺は腕の中にいる流星を見下ろし、どっちを取ろうか迷っていると……。
「大丈夫です。俺、逃げませんから」
にっこり微笑む彼は天然なのか。可愛い。
「わかった、書くからお前出て行け」
「逃げたりは……」
「しない。だからこの部屋から出ろ。集中できん」
俺は編集者を追い出すと、俺は流星をまた引き寄せ、抱き込む。
ああ、やっとまた二人きりになれた。
「あ、あの。打ちにくくありません?」
「平気。君がいると何故かすんなり書けそうな気がする」
流星を膝の上に乗せたまま、俺は指を動かし、ひたすらキーボードを打ち付けた。
コレが終わったら、ご褒美をもらおうかな。
何よりも極上な、流星という美味しいご褒美を……。
**END**
ともだちにシェアしよう!