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「いとさん、俺、おれっ!!」  どうしよう、吐精したいかも……。 「イきたいんだろう? いいよ」  絃さんは簡単に言ってのける。  だけどさ、俺は嫌だ。 「やっ、だって俺、絃さんと一緒が良いっ!」  本音を告げれば、細い目が大きく見開いた。  その後、フッて目元が緩む。  すっごい優しい笑顔だった。 「可愛いことを言うな。一緒にっていうのがどういう意味なのかわかっているのか?」  だけどそれもほんの一瞬だ。瞳孔は開ききって、瞳は光を宿している。訊ねる絃さんの顔は、肉食獣のような雄の顔に変化していた。 「……たぶん。でも怖くない」  今の絃さんを見ても、怖くない。  だからきっと、そういうことだよね。 「怖くなったら言え、すぐに止める」  怖くなっても止めてほしくない。  だけど言っても判ってくれそうにないから、俺はただコクンと頷いた。  俺は両足を大きく開き、絃さんを受け入れる準備をする。  そうすると、俺の先走りを纏った絃さんの骨張った長い指を、排泄をするばかりの後ろの孔へ挿し込んだ。  俺の中で、絃さんの指が動く。 「んっ」  異物感が半端ない。  痛いなんてそんなものじゃなくて、鋭い切っ先で身を引き裂かれるみたいだ。  指だけでも痛いのに、こんなんじゃ、絃さんなんて挿入(はい)ってこられるわけがない。  それでも、指が中で解されれば、少しずつ柔らかくなっていくのが自分でもわかる。  初めよりはまだマシだったけど、やっぱり痛いものは痛い。必死に唇を噛みしめ、痛みを口に出さないようにする。

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