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だって少しでも痛いって言ったら、絃さんはきっともう、俺に手を出さないと思ったんだ。
絃さんが他の奴を抱いたらどうしよう。
俺の方がずっとずっと絃さんを好きなのに、俺じゃない人に手を出して、それでこの関係が終わったら?
それを思うだけでも嫉妬で狂いそうだ。
「そんなに噛みしめたら、血が出るぞ?」
だけどやっぱり絃さんだ。俺の感情をとっくに見抜いていた。
噛みしめている口を、薄い唇が塞いできた。
「んっ、っふ……」
中を弄られながらキスされるのって、なんかすごく……エロい。
想像したら、今までよりもずっとおかしな気分になる。
おかげで余計な力が抜けていく……。
口は塞がれていて何も言えないから、俺は身体をくねらせ、絃さんが欲しいと示した。
指が引き抜かれ、少し寂しくなる俺の秘部は、だけどすぐに、指よりも硬いものが触れた。
「っひ!!」
怖い。だけど絃さんなら大丈夫。
自分に言い聞かせ、両足を絃さんの腰に絡めた。
「流星は見た目ゴールデンレトリバーみたいに人懐っこいのに、意外と頑固だな」
クスリと笑う吐息がこそばゆい。
「快楽にだけ身を委ねろ」
絃さんはそう言うけど、そんなのムリ!!
「んっ、つあああっ!」
絃さんの一物は指よりもずっとずっと太いし、すごく硬い。痛くて死にそうだ。とても苦しい。
中を掻き分け、ゆっくり挿入される一物に、身体が強ばり、足が震える。
だけどそれも俺の前に回った手のおかげで消えていった……。
俺の一物が、ふたたび大きな手に包まれたんだ。
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