13 / 59

「全部挿入ったよ、流星」 「ん……」  俺の勃ち上がった一物の下にあるのは、尻の孔を貫く、俺の一物と同じ形をした絃さんの雄だ。  頬を伝う涙は、いったい何の涙だろう。  絃さんに抱かれた嬉しいっていう気持ちとか、同性に抱かれたっていう衝撃。それに痛み。  もうごちゃ混ぜになって、何が何だかわからない。  ぽたりと俺の目尻から涙が零れた。 「流星……」  絃さんが俺の名を呼ぶ。  どうしよう。抱かれたのが嫌だったと勘違いされたかもしれない。  そうじゃない。  そうじゃないのに……涙が止まらない。  俺は首を振ってなんとか絃さんに違うと伝える。  そうしたら……。  薄い唇が、溢れ出た涙を吸い上げた。 「……っつ」  ――ああ、俺。どうしよう。  絃さん、俺。やっぱり貴方が好きだ。  背中から後頭部に腕を回し、口づけを強請った。  深くなる口づけと、絡み合う舌。俺の口の端に伝うのは、いったいどっちの唾液だろう。 「……っふ」  絃さんの熱い楔に貫かれた痛みはもうない。  中が蕩けてしまいそうだ。  ……俺、消えてなくなってもいいや。  俺は絃さんに身を委ねる。だけど吐精してしまうのがもったいなくて、長い時間、互いに貪りあった。  **END**

ともだちにシェアしよう!