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◇
一度嵌ってしまったこの恋からは抜け出せる術がない。
こればっかりはどうしようもない。
惚れた弱みだと思うんだ。
「俺は流星にしか興味ないよ。そうだな、流星は格好いいというよりも、むしろ可愛い系かな」
「全然嬉しくないっ!」
可愛いは誉め言葉じゃないし!!
なんかイラつくんですけど!
俺はぷっくりと頬を膨らませ抗議する。
「同性の俺を受け入れてくれたのは流星だ。そうだろう?」
「でも!! でも。絃さんならきっと俺でなくとも、そのままの絃さんを好きだっていう野郎はたくさんいると思う」
「俺は流星じゃなきゃ嫌だね」
俺は思ったことを口にすると、絃さんはすぐさま否定した。
なんかもう……全部がやられたっていう感じだ。
言葉とか仕草が男らしくて……。
でもすごく色っぽいっていうか。
女性とか男性とか、絃さんがどういう姿をしていても、すごく好きなんだ。
絃さんに見惚れていると、なにやらゴソゴソ動いている。
身体が空気に触れる感じもする……。
って、ちょっと待って!!
びっくりして見下ろせば、俺の着ていたシャツのボタンが外されて、下着を捲られる。
そうかと思えば、ズボンに指を引っかけて、ボクサーパンツごと下ろされた。
「ちょっ、ここでするの?」
「ここはそういうことをする場所だろう?」
はっと我に返って慌てて尋ねると、絃さんは真顔で返事をした。
「だけどっ!」
「拗ねてるお前が悪い。妬いてくれる流星が可愛いんだ。しょうがないだろう?」
口角を上げてそう言う絃さん。
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