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 それを引き出させたのは俺だ。  だが、果たして流星にそんなものは必要だろうか。  こんな関係は間違っている。  彼を想うのならば今すぐこの関係を終わらせるべきだ。  それなのに、俺は流星を手放せない。  流星だけが、本当の俺を見てくれたから……。  いや、これは俺の我が儘だ。  そんな俺の我が儘で流星の人生を狂わせるわけにはいかない。 「やはり別れるべき、だろうな……」  もともと、流星は俺が女だと思ったから付き合った。  俺の女装した姿が流星の好みだったことがきっかけだ。  そこに男の俺への慕情はない。  今ならまだ間に合う。流星の人生を狂わせずに済む。  女装した俺よりもずっと綺麗な子と出会えばきっと、流星はその子を気に入る。 「ごめんな」  担当にも当たって、流星が好みの女性を探してみよう。  胸は引き裂かれそうに痛むが、愛おしい彼のためならそれがいい。  俺は無防備に眠っている流星の頭をそっと撫でて、別れを決意した。  *To be continue*

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