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第8話 大学潜入!

 side:絃  並木道を進んで広い門構えを抜けた俺は今、流星がいる生活学科がある大学棟内にいる。  もちろん、流星には秘密だ。  大学には担当から連絡してもらって、『小説の取材』という名目で許可を貰っている。  もちろん、名目はただの建前だ。俺の本音は流星の学生生活を覗きたいからだ。  とはいえ、普段の格好をするのもそれはそれで面白味がない。  そういうことで、刺激が欲しい俺は今、プリーツスカートに白のブラウスを着ている。  ――そう。俺は今日も今日とて女装日和だ。  いや、これがなかなかバレないから面白い。  現にここの学生たちは皆、俺を女だと思い込み、女子生徒にはため息をつかれ、男子生徒に至っては言い寄ってくる始末だ。  これはこれでなかなか……。  などと行き交う生徒たちの視線を独り占めにして楽しんでいると、教室で流星を発見した。  講義は終わった後だろう。人の出入りは少ない。にもかかわらず、一箇所だけは人だかりができていた。  流星はやはり人当たりが良い。俺との接し方からも十分に把握できていたが、しかしまさかこれほどまでとは思ってもみなかった。  それというのも、人だかりの一箇所の中心にいたのが流星だからだ。女子の群れが流星に集中している。  そりゃね、流星は俺よりは背は低いが、それでも十分高い。二重の大きな目に高い鼻梁。顔だってレベルが高い。だから少しはこういうシチュエーションを想像していたのだが……。  しかしこれは、想像以上というか……。

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