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悲鳴をなんとか押し殺し、唇を引き結ぶ。
だが、やっぱり噛み締めた歯の間から苦痛の声が漏れるわけで……。
おかげで流星は冷静になったらしく、一度は挿し込んだ一物を引き抜こうとする。
――流星だってできたんだ。俺にできないことはない。
第一、流星よりも俺の方が慕情は上だ。
俺は誰にも負けないくらい流星に惚れていると自負している。
「抜くな!」
ふざけんな! 俺がここまで受け入れてやってるんだ。
掘るなら最後まで掘れよっ!!
途中で止めるとかないだろうがっ!
俺は手を伸ばし、流星の腰を掴んだ。
そしてもう片方の手は、流星の後頭部へ――。
そっと引き寄せて、俺の唇で流星の口を塞ぐ。
大丈夫だからという気持ちと、愛しているという想いを乗せて。
「っふ、絃さん、こんな時でも男前……」
どちらからともなく唇が離れると、流星は顔を歪めて笑う。
その表情が愛おしい。
「なんだよ、文句あるか?」
「ううん、すごく好き……」
愛している奴から好きと言われて俺の唇が弛む。
「いとさ……いとさっ!!」
気を取り直した流星は、まるで火が付いたかのようだった。
俺の腰を持ち上げると、ひと息に貫く。
「っ、うああっ!」
流星の一物をすべて飲み込まされたことで、苦しくて口を開ければ、もう流星は止まらない。
深い抽挿を幾度となく繰り返す。
室内には濡れた水音と俺たちふたりの淫らな嬌声。そして互いの肉がぶつかり合う音ばかりだ。
「りゅう、せっ!」
どれくらい、そうして抱かれていただろう。
流星は限界に達したらしい。腹の奥に流星が吐き出す白濁が勢いよく注がれた。
熱い迸りが体内にだくだくと流れ込む。
「んあっ、っつ!」
俺も中で流星を感じて自らも果てた。
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