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第9話 絃さんとドキドキ初デート❤
side:流星
俺、和歌 流星 は今日、恋人の雪見 絃 さんと遊園地デートだ。
何を隠そう、今日が記念すべき絃さんとの初デートだったりする。
たしかに、前も絃さんと花鳥園に行ったけれど……。
でもデートだと思っていたら絃さんの従姉さんと一緒で、しかも後で問い詰めたら俺と別れるためにセッティングしたっていうじゃない。
正直、あそこで絃さんを探して別れないと駄々をこねてよかったと思った。
今日はこの前のデートのリベンジだ。
絃さんとはゲート前で待ち合わせになっている。
真っ青に広がっている空を見上げれば、太陽が眩しい。
待ち合わせよりも少し早く来ちゃったみたいだ。
時刻は午前10時になる少し前。開園よりちょっと早い。
首を動かして絃さんの姿を探せば、周りに少しずつ人が増えてきた。
「ごめんね、待たせた」
ヒールの靴音が聞こえる。
俺の前に現れたのは、背の高い女性――いや、俺の恋人の絃さんだ。
白の長袖にボーダーシャツ。ジーンズに黒のスニーカー。
俺が軽装なのに対して、今日の絃さんの服装は白のトップスにグレーのふわふわチュールスカート姿だ。
腰まである髪の毛はウィッグだって判っているけれど、ふんわり内巻きで、ものすごく可憐だ。
あうう、絃さん。普段はイケメンなのに、女装すると綺麗っていうか……。
ほんと、男だってあんまり判りづらい。
なにせこうしている間でも行き交う人は女性や野郎すらにさえため息をついて絃さんをうっとり見つめているわけで……。
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