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「泣く奴があるか、ほら、移動するぞ?」
「うん、うん……」
コクコクと頷きながら、答える俺。
「ほら、泣き止め」
そんなの無理。
……だって嫌われると思ったんだ。
ガキな俺はうんざりだって言われるのかと、そう思ったんだ。
「い、とさ……きらわれるって、おもって……っひ……」
涙腺が弛んでいるから声も揺れている。
しかも嗚咽まで飛び出してくる始末だ。
「はあ? 嫌うわけないだろうが。それくらい俺を好きでいてくれているんだろう? 馬鹿だな、流星は――」
「うええ……」
絃さんは、ヒック、ヒック、としゃくりを繰り返すの目尻に溜まった涙を親指で拭ってくれた。
だけど一度溢れた涙は止まらない。
俺はポタポタと涙を零しながら、絃さんに手を引いて貰って、遊園地を出た。
――ここは今日、絃さんと予約していたホテルの一室。
部屋に入るとすぐにオートロックがかかる。
同時に絃さんから深いキスをくれた。
だけどそんな深いキスをされたら、俺、止まらなくなっちゃう。
どうしよう。絃さんを抱きたい、抱きたい、抱きたい、抱きたい!!
「絃さん、好き、好き……」
深く重ねた唇をそのままに、俺は絃さんの太腿に手を這わせ、スカートの中へと潜らせる。
ショーツの上から絃さんの一物に触れば、絃さんも感じてくれていたみたい。
俺と同じくらい、硬くなっている。
絃さん……。
口角を変えて、俺と絃さんの舌を重ねる。
クチュクチュと濡れた音がする。
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