53 / 59

「泣く奴があるか、ほら、移動するぞ?」 「うん、うん……」  コクコクと頷きながら、答える俺。 「ほら、泣き止め」  そんなの無理。  ……だって嫌われると思ったんだ。  ガキな俺はうんざりだって言われるのかと、そう思ったんだ。 「い、とさ……きらわれるって、おもって……っひ……」  涙腺が弛んでいるから声も揺れている。  しかも嗚咽まで飛び出してくる始末だ。 「はあ? 嫌うわけないだろうが。それくらい俺を好きでいてくれているんだろう? 馬鹿だな、流星は――」 「うええ……」  絃さんは、ヒック、ヒック、としゃくりを繰り返すの目尻に溜まった涙を親指で拭ってくれた。  だけど一度溢れた涙は止まらない。  俺はポタポタと涙を零しながら、絃さんに手を引いて貰って、遊園地を出た。  ――ここは今日、絃さんと予約していたホテルの一室。    部屋に入るとすぐにオートロックがかかる。  同時に絃さんから深いキスをくれた。  だけどそんな深いキスをされたら、俺、止まらなくなっちゃう。  どうしよう。絃さんを抱きたい、抱きたい、抱きたい、抱きたい!! 「絃さん、好き、好き……」  深く重ねた唇をそのままに、俺は絃さんの太腿に手を這わせ、スカートの中へと潜らせる。  ショーツの上から絃さんの一物に触れば、絃さんも感じてくれていたみたい。  俺と同じくらい、硬くなっている。  絃さん……。  口角を変えて、俺と絃さんの舌を重ねる。  クチュクチュと濡れた音がする。

ともだちにシェアしよう!