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第10話 絃revenge
side:流星
「絃さん、あの。ごめんなさい!」
翌朝、ホテルの一室で、頭を深く下げて土下座する俺は両手を合わせて謝った。
それというのも、昨夜は絃さんが失神するまで抱いてしまったからだ。
絃さんは俺様なところがある。だからきっと自分の思い通りにシナリオが進まなかったことに対してすっごおおおおお、く怒っているんだろうなと思ったんだけど……やっぱりだ。
口の先で煙草を吹かし、いつも通り涼しそうな表情をしているけれど、その実は結構怒りモード――のような気がする。
ウィッグを外しているから、男らしさが際立っている。
ああ、どうしよう。子供な俺とは付き合いきれないとか言われたら、子供みたいに駄々をこねて泣いてしまう。そうしたら余計に愛想を尽かされてしまう。
そうやって絃さんとの別れを考えただけでも胸が苦しくて、目頭だって熱くなる。
どうやったら許してくれるだろうか。何を言ったらよりを戻してくれるだろうか。俺の頭の中は高速回転しはじめる。
頭をカーペットに擦りつけ、土下座していると、突然俺の腕が引っ張り上げられた。――そうかと思えばダブルベッドに戻された。
「えっ? あの、絃さんっ?」
絃さんの両腕の檻に閉じ込められた俺は狼狽える。しどろもどろになっていると、
「逃がさねぇ」
「んうっ」
ぽつりと呟いた薄い唇は俺の口を塞いだ。
キスはすぐに深くなって、長い舌が俺の舌を絡め取る。頭頂部を押さえ込まれて口角が変わると、長い舌は俺の口内を蹂躙する。
「ん、ふ……」
ああ、ダメ。絃さんに与えられるキスだけで下肢が疼く。俺の息子が解放しろとスキニーを押し上げる。
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