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第191話

「玲音、おかえり」 「え……あっ!あ、うん」 「どうした?何言われたんだ?」 惺士にそう聞かれたけど潤冬さんのことをいう訳にもいかず、えっと、まぁ。なんて下手な濁し方をしてしまう。大翔もこっちを見ていたけど珍しく何も言ってこなかった。 まだ潤冬さん達のことがスッキリしないからだろうけど少し引っかかる。 「あの」 俺が椅子に座り直したタイミングで今度も珍しく哉芽が声を出した。 「珍しいじゃん!どうした、哉芽」 「皆さん、夏休みはどう過ごすのでしょう?」 「せやった!俺の話が終わったらしよか!ゆうたわ」 そうだ!明日から待ちにまってた夏休みだった!なんかさっきより夏休みが楽しみになってきた気がする!と同時に暁胡さんのことをしっかり思い出してでもそこまで考え込むことはなかった。 一回忘れたからかな。なんか冷静に考えられる気がする。 「俺と陽向は来週の月曜に帰る予定だ。な?」 「うん。さとし君とお家、近くだから毎年一緒に帰るの」 「え!家近いの!?初耳なんだけど」 「お隣さんだよ」 「お隣!?」 と言うことは必然的に幼馴染みで!?と言うことは親公認で!?マジで!?そう言うことでしょ?どういうこと!? 急にキャパオーバーなんだけど。待って、こんなに近くにあったの!?なんで誰も足えてくれないの?確かになんか呼び方とか親しい感じだったけど幼少からここにいたら――って、その時点でもう幼馴染みじゃん。幼馴染み尊い。ありがとう幼馴染み。尊い…… 「俺はしゃあないけど、生徒会のことあるから8月入ってから帰る予定や。でもそん後はほぼ決まってへんからいつでも遊べるで」 「僕たちもお盆以外は決まってないよね?」 「いや、10日から父さんに会いに行くって、前に話してただろう」 「あ、そうだった……じゃあ、遊べない…?」 「17日以降だったら、確か大丈夫なはず」 「よっしゃ!ほんなら日にちは――」 いつにしようか!場所はどうする?順々に決めていると横からツンツン腕を突かれる。横にいるのは大翔と哉芽だけど、大翔は紙にあれこれ書きながら喋ってるからもう一人だ。 「どうかした?都合悪い?」 「そうではなく、レオンはいつ帰省しますか?」 「俺は――」 「なあ!19日から俺んち泊まりくるんでええよな」 「え?あ、うん!……こっちの話し終わってからでもいい?」 「そうですね」 夏休みは大翔の家に泊まりに行く事が決まった。でもって、俺がいつから帰るのかって話は例の如く忘れ、そのまま解散した。 そう言えば哉芽は、いつ帰省するのだろう……?

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