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第202話※
これで終わりだ。そう言ってたからもう何もしていない筈なのに未だ動いている感じはするし体の震えも声も止まらない。勝手に涙が流れ頭の中もまだぐちゃぐちゃで、どうにかして欲しいのに縋る為の力ももう残ってない。だから枕に顔を埋めているしかないんだけど、でも覆いかぶさるように上に乗っている潤冬さんの体の熱は少しだけ安心出来た。
「ひっ、ひ…も、やだぁ……」
「あぁ、今日はもうしない。現に動いてはないだろう?」
「んンッ!う、そ、だぁ」
涙ぐむ俺に噓じゃない。そう言ってきた。
必死に横を向く俺の頭をぐしゃぐしゃ撫でてくるけどそれならなんでさっきからこの震えは治まらないんだ。
動いてないと言っておいて俺を油断させてあざ笑っているんだ。
「何回も奥でイッたから、余韻が残ってんだろ。俺の抜けば、少しは……」
「ぁぁぁ!うごかないで……」
「……」
「ぅぅ…も、やらぁぁ……」
「はぁ、俺も同感だ。それに腹も減った」
お腹の心配なんかしてる場合じゃない。いや、待てよ。そう言えば俺、お昼ご飯に誘われて……?
重大なことに気付いたがやはりそんなこと心配してる余裕はなく、もうそろそろ動いて大丈夫ですと言ったのはそこから更に暫く経ってから。
「うわっ、もうこんな時間かよ。昼飯っつうか、おやつじゃねぇか」
「……俺、甘いもの食べたいです」
漸く動けるようになった潤冬さんはベッドに胡坐をかき寛いでいたけど、俺のお腹の違和感はまだあってもう少し……なんて思ってしまっていて、でも誤魔化すようにあんなことを言った。
「そんなへろへろで食えんのか?」
「……たべたい…」
「分かったわかった。頼んでやるから落ち込むな」
ぐしゃと頭を乱暴に撫でるとベッドヘッドに置いていたタブレットを操作し始めた。注文は大体このタブレットか数が少なければ電話。邪魔されたくない、しない為の配慮なんだろうけど、人の温もりのないそれらがここでは少しばかり苦手だ。
タッチパネルは王道で憧れだったけど、ここでは……
「なんだ?ちゃんとチョコパフェも頼んだぞ?もしかして、今日はイチゴがいいとか言うなよ?」
「え、あ、いえ……チョコが良いです…」
「なんだ?急に大人しいな。腹でも痛いのか?ゴムは付けていただろう?」
「そ、そうじゃなくて……」
「あぁ、あれか。お前も腹減ったんだろう?多めに頼んだから大丈夫だ」
お腹の心配もそうだけど、明日からは生徒会もなく、授業もない。
潤冬さんはここで夏休みを終わりまで過ごすのだろうか。
どうしてこんなに女々しいことを考えてしまうのか分からない。でも、どうしても思ってしまうんだ……王道会長は、傲慢さ故に、孤独になり易いんだと。
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