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第206話
「で?本当はなんのためにここに来たんだ?」
潤冬さんは雑にババにフォークを指しながらそう切り出し、鶴来先輩を見た。
なんだこのこれからシリアス展開始めますのでお静かに!的な流れ……まさかこの平和な日常に突如訪れた地球外生命体の存在を確認したとか?
マジかよ!来ました、少しファンタジー!男のロマンが今始まる!?
「うーーんとね!ちょっと大事なお話しに来たの!」
フーー!やっぱりね!俺の推理は間違いな……え?こっち見てるけど…もしかして、生徒会だけの秘密なことだったりする?それなら部屋から出てた方がいいよね。ちょっとだけ聞きたかったけど、それなら仕方ないよね。
まさか、鶴来先輩がその生命体だったりして!だから俺には聞かれたくなくて、察しのいい俺の頭脳をかってくれている……とか!
了解しました、鶴来先輩!この頭脳明晰な俺は一時退散しますのでその間に潤冬さんに正体を明かすなりして手続き完了させてくださいね。
そうと決まれば俺の行動は早いもんでソファからもう腰を上げてる。
「俺、席外しますね。生徒会の大事な話っぽいので」
「れおちんも聞いていいよ!」
「え?」
なに!?俺が聞いてもいい、だと!?
一体どんな話をするつもりなんだ、鶴来先輩!
思わぬ言葉にすかさず座り直し、なんなら前かがみで聞き入る態勢だ。潤冬さんもフォークを置いた。きっと鶴来先輩の真剣そうな表情を読み取ったからだろう。もしくは俺の行動に感化されたのか……
「で、その重要ってのはなんだ?」
「あははっ!じゅんじゅんも超真剣モード!じゃあ、暫く真面目な話するね。知ってると思うけど、あやちは鼻が利く」
「あぁ。ハルにも犬 って呼ばれてたな」
おっとお待ち下さい。王道BLお得意のなんでも知ってる情報屋張りハイパー腐男子だと鶴来先輩は思われているかもしれませんが、申し訳ありません。俺、ただの腐男子ですので存じ上げません。
本当にすみません。できれば俺もハイパー腐男子になりたかったです。
「あの…ケンとは…どういう……?」
「あれ?れおちん知らないんだ!」
「えぇ、まぁ。はい」
俺は編入してきたばかりだからここの内情には詳しくないし、大翔たちからも何も聞いていない。
にこにこ顔で言われても、本当に申し訳ありません。としか言いようがないんだけど……やっぱり俺って、王道BLのハイパー腐男子だと思われているんだろうか?
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