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第207話

「僕たち昔ね、はるはるに第二の名前を付けて貰ってたんだ。あ、はるはるはじゅんじゅんのお兄さんなんだよ!」 何それ王道まっしぐらな展開!!不良グループの件で、そうだったらいいなぁ……とは思ったけど本当にそうだったなんて。もう王道が過ぎる。ありがとう、本当にありがとう。 しかし興奮を抑え冷静に話の続きを聞く。今日は重要な日になりそうだから。 「お兄さんのことは聞きました。ずっと探しているって」 「あー…うん!探してるの!でね、今日はそのことなんだけど」 「もしかして見つかったのか!?」 急に食いついた潤冬さんに俺も鶴来先輩も驚きそっちを見る。するとテーブルに両手をつき普段よりも幼く縋るような表情に戻った彼がいて、どうしてか寂しく思えた。 でもそう感じたのは一瞬で、次には鶴来先輩の見つかってはいない。の言葉に今度は耳を傾ける。少しぬるくなったババはそれでも美味しかった。 冷静にと思ったけど早々に真面目さに飽きてしまい話半分で聞きながらソファに座り直し正面を向く。すると枦椋先輩もババを口に運んでいて、彼は話を聞いてはいないだろう態度に本当に犬みたいで王道だと思い、興味は移っていた。 無口そうで鼻が利く。食べることも好きそう。鶴来先輩とは幼い頃から知り合いなんだろうか?この彼も、王道等しく何かを抱えているのだろうか? 「よね!れおちん!」 「――はい?あ、すみません!聞いてなかったです」 「だからぁ、早く見つかるといいよね!」 「お兄さん!そうですね。枦椋先輩に頑張って貰って、早く見つかるといいですね!」 彼らの会話によると、潤冬さんのお兄さんの匂いがすると数ヶ月前から言っているらしく、しかも、一人でふらふらと匂いを追っていなくなっているのだという。 生徒会の仕事をほったらかしていなくなることも多いらしく、だから尚更……と今回話に来たらしい。 仕事をほったらかして一人で。ということは、鶴来先輩のことも…… まぁでも、何かありそうなのは枦椋先輩だろうから大丈夫か。 ちらっと鶴来先輩を見るとにこにこしてたから危ない方の王道の心配は無くなった。 まぁ、ふらふらいなくなる問題はこれから解決しないといけないんだけど……

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