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第208話

お前、心籠ってねぇな。 不意に隣から聞こえた冷めた声にえ、どうしたの?とそっちを見れば、腕と足を組んでこれまた冷めた表情の潤冬さんがいて、急激な温度変化に俺はなにをやらかしたんだ?と久々の緊張感に冷や汗が背筋を伝う。 「えっと……」 「頑張ってとか、いいですねとか。テンションも投げやり過ぎんだろ」 俺はそんなに投げやりだっただろうか…… 確かに興味は枦椋先輩に移っていたから慌てて言った感は否めないけど、そんなに怒ることなんだろうか?いやいや、今は早急に謝り温度調節をしないとだ。夏休みをここで過ごす俺の為にも。 「あの…安易な言い方して、すみません」 「そんな上っ面で謝られても許す気ねぇから。はぁ……気分わりぃ、ちょっと出てくる」 「じゅんじゅん!?」 「潤冬さんっ!?」 これは非常事態だ!俺の夏休みが危ぶまれる緊急事態!!険悪なムードのまま2人きりで数週間を過ごすなんて俺には無理だから!心がしんどい~なんて歌ってる場合じゃない。 本当にヤバい事態なんだよ! 俺は思い出したんだ。怒れる若者の怖さを。夕暮れの教室で胸倉を締め持ち上げたあの時を。 「すみません!俺ちょっと追いかけてきま――」 「ダメだよ、れおちん」 「え」 「だって僕、れおちんと仲良しになるために来たんだもぉん。だからいなくなったらダメ!ね、あやち?」 「ん……あ、…なぁ…し」 「あやちもこう言ってるから、行っちゃだめ」 「っ………」 思わず口を抑えて俯いちゃったけど、悪い方に捉えてないと言いな。 なんせ2人の会話が王道過ぎたもので…… 普通、だもんとか高校男子にハードル高いですからね!?自分の可愛さ把握してるにしても度が過ぎる!いや、そうじゃないんだよ!! 俺が言いたいことは!萌えが行き過ぎて語彙力ぶっ飛んだ。なんかもう元々少ない語彙力が羽布団の如く軽く飛んでった。 ちびたそ鶴来先輩の可愛い言葉使い最高……それに加え枦椋先輩の絶対何かあるあの話し方。もう尊いです。王道万歳三唱。 例えこの後の展開が鶴来先輩に俺が遊ばれるフラグだったとしても、もうよいのです。 とことん遊ばれる覚悟は出来ました。 ××× 鶴来先輩のおもちゃルート、開放?

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